メンバー・チェンジを繰り返しながらも、活動を続けてきたJEZABELの3枚目となる渾身の作品です。 他のバンド同様にこのJEZABELもまた、メンバーが定着せずに苦労してきたバンドの一つでもあります。 順調に行かないことがほとんどの世界ではありますが、そんな中でも腐らずにこんな素晴らしい作品を創ってきたことが、ほんと嬉しいです。

今作は、前作よりもプログレッシヴで落ち着きのあるメロデック・パワー・メタルを聴くことが出来ます。 プログレッシヴ度が強くなった楽曲はとても聴きやすく、とても味わい深くなっています。 それに、統制の取れた力強い演奏はメロディを際立たせ、なんとも言えない心地よさと爽快感を与えてくれます。 アルバム全体の統一感は感じられないものの各曲の出来が素晴らしく、メインとなるような印象的な曲が何曲もあり、 なんとも言えない爽快感を味わえる作品になっていると思います。 すっかり立派なヴォーカリストに成長したLeandro Coronelの歌声に包まれながら、 清々しい気分で一杯になれるオススメの作品です。

最後に、残念なことに長年JEZABELを支えてきたメンバー、Leandro Coronel(Vo)と Nestor Rodriguez(G)がバンドを脱退してしまったようです。 彼ら二人は作詞作曲にも携わってきたメンバーでもあったので、かなりショックです。 初期メンバーで残っているのはDiego Del Rio(G)と Guillermo Saccomanno(Ds)の二人となってしまいました(BとKeyは途中から加入)。 こんな素晴らしい作品を完成させただけに、非常に残念で仕方ありません。 G、B、Key、Dsの4人となってしまったJEZABELですが、 2010年現在も新しいヴォーカリストを探しているようです。 ほんと順調に行かないバンドですが、どうにか素晴らしいヴォーカリストを見つけてほしいものです。 見事な復活を期待して。

人ってこんなに成長するのか・・・、そんな驚きと興奮に満ちた作品が今作です。

前作では、インパクトあるジャケや楽曲はそこそこのものの、歌声が残念な作品でしたが、 今作では全てにおいて見違えるような磨きを掛け見事な作品を創り上げてきました。

特に驚きだったのが、前作では不安定な歌声だったヴォーカリストLeandro Coronelが、 同じ人？？と言うくらい上手くなっているんです。 堂々とした深みのある歌いっぷりに脱帽です。まとまりのなかった演奏も見違えるようにプロらしくなっています。 それに、前作からの彼らの持ち味である劇的な美しい楽曲が、音質が良くなったことにより深みを増し、 煌びやかでよりパワフルな楽曲へとパワー・アップしています。 これが彼らがやろうとしていたメタルか・・・と思うと、その成長振りに感動すら覚えます。 身体がうずき、口ずさみたくなる見事な作品で、彼らがやろうとしていたことが、ついに具現化された作品と言えるでしょう。 オススメです。

その証拠に、このアルバムはイタリアのレーベルから出ています。 日本からも出る？なんて話もありましたが、流れてしまったようです。

ちなみに3曲目 "Sigue Un Paso Mas" のビデオ・クリップが付いています。 そして、なぜかアルバムの1曲目にそれが入っているという・・・。

青一色の妖艶なジャケに惹かれて、手にとったアルバムがこれ。 なんと！中にはジャケと同じポスター入り！という代物に期待は高まるばかり。 そんな素敵なこの作品はJEZABELの1stアルバムでした。

その内容はというと、ジャケットのイメージから懸け離れてはいないものの、 なんとも煮えきれない歯痒さが残る作品でした。冷静に耳を傾けると、楽曲はかなり良いことが分かります。 ドタバタ感はありますが、クラシカルで荘厳さも醸し出しつつ疾走していくパワーメタルを聴くことができます。 かなり、ツボにはまる曲もありますが、褒めちぎることができません。 その理由は、まとまりのない演奏とヨレまくりの不安定なヴォーカルにあります。 キレイなハイ・トーンを聴けるところもありますが、まだ自分の声をコントロール出来てない感じがしてなりません。 そんなこともあり、一聴して聴かなくなってしまう人もいそうな作品です。 楽曲がいいだけに、もったいなさすぎです(泣)。 何年後かに再びこの作品の曲を演奏したのが聴きたい・・・。