強力なデモアルバムを制作してから、しばらく活動を中止していたHELKER。 しかし、2006年頃から再び集結し、再び活動を始めました。もう聴くことができないと思っていたHELKERが帰ってきた嬉しい作品が、 ヴォーカリストにDiego Valdezを迎えての今作です。 デモで歌っていたMatias Ochoa(Vo)はかなり気に入っていたので今作で聴けなくて残念でしたが、 このDiego Valdezは様々なバンドからお呼びが掛かる実力派ヴォーカリストです。 主にEidyllionで活動をしているみたいですが、他にDhak、Skiltron、Azeroth 等の作品に参加しています。

そんな彼ですが、アダルトな色気を漂わせながら、包み込むようなパワフルな歌声で大熱唱しています。本当に上手い！上手すぎます！

さて、そんな復活作は、大きく成長したデモアルバムから大人になったような作品となっています。 突き抜けたようなパワー・メタルで魅了してくれたデモに、まろやかさを加えたような感じでしょうか。 バンドを結成してから、もう10年も経っているのに作品はデモを除き今作で2枚目です。 かなり苦労があったことと思いますが、そんな経験と音楽に対する熱い想いが糧となり風格となって、 びくともしないパワー・メタル・サウンドを築きあげています。 そんな聴き応えある渾身の復活作、オススメです。今後も続けていってもらいたいです。

ちなみに、嬉しいことに2003年のデモに収録されていた3曲も全て入っています。

前作ではGを担当していたChristian AbarcaがBへ、そしてメンバー・チェンジもあり、Voが変わって、 水を得た魚状態の今作です！！前作の今一歩といった壁を見事突き破り、大きく成長したようです。 迷いのないこの堂々としたパワー・メタル。音がみずみずしく、聴き手にもろ伝わってきます。 実に素晴らしい！！このバンドの力を集結したようなパワフルな歌声が、見事にバンドの力を解き放っています。

前作のような疾走チューンはありませんが、曲の流れを考えた適度なリズムが心地よく、 一曲一曲が魂の入ったような出来でパワーを貰えます。そんな今作は3曲しか入っていません(泣)。 もっともっと聴きたい、残念で残念で仕方ない思いで一杯になります。早くアルバムを出してほしい・・・。

★収録曲

1. Basurero Nuclear

2. Prisionero

3. Traicio

1998年に結成されたこのバンド、実は、元LORIHEN、MAGNOSのヴォーカリストJavier Barrozo(Vo)の弟のSebastian Barrozo(Ds)が在籍しているバンドだったりします。 そんなこともあり、LORIHENや他のバンドのメンバーも参加し、彼らのデビュー作を盛り上げています。

そんなHELKERは軽快なドラムにのせて疾走していく、ツイン・ギターの定番ともいえるパワー・メタルが魅力のバンドです。 個人的にもの凄く好きであろうメタルをやっているはずなんですが、一皮剥けていない、そんな感じです。 その一つがヴォーカリストで、遠くで歌っているような膜が掛かったような声、下手ではないんですが、 このスタイルには合っていないと感じてしまいます。そんなこともあり、楽曲の良さが半減してしまい、 残念ながら全体を通して聴くと飽きてきてしまいます。 とても良いバンドなんですが、全体的にもっと突き抜けて欲しい・・・そう思わずにはいられない作品でした。 今後に期待です。